「ラチェッド」（原題：Ratched）は、Netflixで2020年9月にデビューしたライアン・マーフィーが手掛けるTVシリーズで、すでにシーズン1（8話）を完走した視聴者も多いことだろう。配信開始から1年以上が経過し、続編の制作は決定しているものの、リリース日については沈黙が続いている状態だ。

ここでは気になるシーズン2について、現在わかっている最新情報を紹介。

▼まずは、この番組をよく知らない人のために簡単なおさらいをしておきましょう。

同シリーズは、1962年に発売されたベストセラー小説を映画化した『カッコーの巣の上で』の前日譚が描かれている。（ちなみに独立したストーリーで展開されていくので、オリジナル映画を未視聴でも楽しむことができる）

出演者は、主人公の看護婦長ラチェッドを演じたサラ・ポールソン（ライアン・マーフィー作品ではよくコンビを組んでいる）、フィン・ウィットロック、シンシア・ニクソン、ジョン・ジョン・ブリオネスなど豪華共演が話題を呼んだ作品。

先日開催された2021年エミー賞では衣装やヘアメイクなどを含む4部門がノミネートを獲得している。

■「ラチェッド」の評価は？

シーズン1は配信後4週間で4,800万人が視聴したと報じられており、Netflixオリジナル作品の中でも高い視聴者数を誇るシリーズだ。

ニールセンが発表した視聴率によると、アメリカだけで9億7200万分の視聴時間を記録しているという。また、Flixpatrol社のTOP10リストでは、2020年に〈世界で最も視聴されたNetflix TVシリーズ〉において第10位を獲得。ちなみにアメリカでは28日間、イギリスでは39日間トップ10にランクインしている。

批評家や視聴者からはまずまずの好意的な評価を受けており、米映画批評サイトRotten Tomatoesでは批評家の支持率を61％を獲得、IMDbの評価は7.3/10 を記録している。

■シーズン2の制作状況

Netflix公式ステータス：シーズン2更新済み／撮影状況不明（最終更新：2021年10月）

2020年9月にシーズン2へ更新の発表がされて以来、いまだに制作再開の見通しが立っていない。

撮影が行われたという情報もなく、主演のサラ・ポールソンは「アメリカン・クライム・ストーリー」など別プロジェクトに取り組んでる状態だ。特に、ライアン・マーフィーは11本のNetflix向けプロジェクトを企画・開発中であり多忙なスケジュールを考慮すると、シーズン2が2022年に到着するのは現実的ではなさそうだ…。

なお、「Ratched」の撮影場所の一つであるカルフォルニア州・ビッグサーの『ルシア・ロッジ・リゾート』が今夏に全焼したことも話題となっている。

当初、米Deadlineは『Ratchedは2つのシーズン、全18話の連続ドラマの注文を獲得』と報じていることから、シーズン2（残りの10話分）はほぼ確実に実行されるだろう。しかしその時期については、前途したとおり多くの問題が横たわっており沈黙のまま。

一方、英DigitalSpyなどの大手Webメディアや英タブロイド紙などは、シーズン2の制作について“未定”であると報じている。

注目すべきは、Netflixとライアン・マーフィーが結ぶ独占包括契約において「ラチェッド」（『ザ・ポリティシャン』も然り）は関与していないのだ。厳密にいうと、この2つの番組はABCとFoxのスタジオで制作された後Netflixに販売されたものであり、マーフィーを看板にして制作されていないのである。マーフィーがNetflixで最初に手掛けたNetflixオリジナル作品は、2020年初頭に配信された『ハリウッド』であることを追記しておきたい。