NFLのクォーターバックから活動家まで、コリン・キャパニックの誕生物語「コリン・イン・ブラック・アンド・ホワイト」について分かっていること


コリン・キャパニックは、2016年NFLの試合で警官の黒人に対する暴力へ抗議するため、国歌斉唱中に膝まずき起立を拒否ことで知られている。今でこそ世界中でBLM運動が認知されているが、当時のキャパニックの行動は物議を醸しスポーツ界に大きな影響を与えた。

Netflixのミニシリーズ「コリン・イン・ブラック・アンド・ホワイト」(原題:Colin in Black & White)では、この33歳の若者の成長物語をたどりながら、どのようにトップへと上りつめたのか、また自らの夢を諦め信念のために立ち上がるまでに何があったのかを紐解いていく─。

▲コリン・キャパニック、エヴァ・デュヴァネイ監督(Frazer Harrison/Getty Images)

同シリーズではキャパニック自身が若き日の視点を通してナレーションを担当。また、Netflixの『ボクらを見る目』『13th -憲法修正第13条-』などで高い評価を得ているエヴァ・デュヴァネイ監督と共同クリエイターとしても参加している。


世界中で物議を醸した片膝をつく抗議表明

さて、冒頭で述べたとおりキャパニックはスポーツ界で最も影響力のある人物に成長した。その理由のひとつにスタジアム内外で人種や階級に関わる問題に対して政治的な活動を行ってきたからだ。

当然このような行動に論争はつきもの。2016年のシーズン終了後、長年プレーしていたサンフランシスコ・49ersとの契約は解消され暫く無所属の状態が続いていた。抗議の意を示す彼の行動は、アメリカにおける人種的不公平や警察による残虐行為、組織的な抑圧に対するものだった。この騒動に反応したドナルド・トランプ大統領(当時)は圧力を強め、NFLのオーナーに『国歌斉唱時に膝をついた選手は解雇すべき』と主張。その後NFLは、2018年5月に国歌斉唱の起立を義務化する措置にまで発展している。

▲サンフランシスコ・49ersの試合前に膝まずくコリン・キャパニック(中央)

いまや膝をつくことは、人種差別に対する世界的な戦いの中で最も象徴的なシンボルのひとつとなっており、様々なスポーツの試合前に採用されている儀式だ。

▲ポール・ポグバ(フランス代表マンチェスター・ユナイテッドFC所属)が人種差別に抗議するために膝をついている様子

キャパニック自らが語る『インパクトの強い説得力のあるストーリー』

©︎ 1997-2021 Netflix,Inc.

「コリン・イン・ブラック・アンド・ホワイト」は、白人家族に養子として育てられた黒人のコリン・キャパニックが、人種、階級、文化の問題に挑む、大胆でドラマチックな成長物語。

アメフトの最高峰であるNFLクォーターバックに上りつめ、カルチャーアイコンや活動家になった数々の歴史的・現代的出来事の背景を詳細かつ興味深く提示する。

©︎ 1997-2021 Netflix,Inc.

キャパニックは制作にあたり、若かりし頃の家庭問題や人生の悩みは多くの視聴者が共感してもらえるだろうと述べている。『私の高校時代に基づいた体験を伝える良い機会でした。人種差別や抑圧的なシステムにどう立ち向かっていけるか、黒人や非白人の子供たちとコミュニティの人々に、そのヒントを見つけてほしいと思います。』と訴えた。そして、この物語を可能な限りインパクトの強い説得力のある作品にするためにデュヴァネイ監督と共に取り組んだことをアピールしている。


キャスト情報

ナレーター

コリン・キャパニック(本人)
Colin Kaepernick
若き日のコリン・キャパニック

ジェイデン・マイケル
Jaden Michael
出演作:『ゲットダウン』『ワンダーストラック』
父親のリック・キャパニック
ニック・オファーマン
出演作:『パークス・アンド・レクリエーション』『ファーゴ』

母親のテレサ・キャパニック
メアリー=ルイーズ・パーカー
出演作:『RED/レッド』『Weeds ママの秘密』
[Picture] ©︎ 1997-2021 Netflix,Inc.

ハリウッドの新星でNY出身のジェイデン・マイケルが、若き日のコリンを演じる。マイケルは、バズ・ラーマン監督のNetflixシリーズ『ゲットダウン』や、映画『ヴァンパイアvsザ・ブロンクス』の出演でよく知られている。

マイケルは、コリン役の起用されたことを受け自身のInstagramに『伝説、リーダー、オールスターの物語を伝えることができて、これ以上の喜びはないよ!』とコメントしている。

その他キャストに、アマール・ウーテン、メイス・コロネル、クラーク・ピプキンが出演。


クリエイター情報

  • 共同クリエイター: エヴァ・デュヴァネイ、コリン・キャパニック
  • 監督: エヴァ・デュヴァネイ (エピソード101および現在のコリン・キャパニックに関するシーンすべて)、シェルドン・キャンディス (エピソード102)、ロバート・タウンゼント (エピソード103、104)、エンジェル・クリスティ・ウィリアムズ (エピソード105)、ケニー・レオン (エピソード106)
  • 製作総指揮: エヴァ・デュヴァネイ、コリン・キャパニック、マイケル・スターブリー
©︎ 1997-2021 Netflix,Inc.

デュヴァネイ監督にとって「コリン・イン・ブラック・アンド・ホワイト」は、“有名人の子供時代を描いたよくある自伝的作品にしないこと” が極めて重要であったと述べている。

『それらの番組を軽んじるつもりはありませんが、すでにいくつも製作されていて成功もしています。私はこのストーリーテリングのテーマをもう少し深く掘り下げたいと思いました。』と、若者が力を得る道のりの核となる部分を、どのように膨らませるか難しい挑戦であったことを明かしている。

『本シリーズは、自分の人生とレガシーがどんなものになるのかを自ら決める過程を描いています。自己決定、自己推進力、許可を待たないこと、皆が同意するのを待たないこと、自身の内面の声を呼び覚ましその声に従って自分を駆り立てて進むことについて述べています。そして、一人ひとりが自身の物語の中で、自分はさらに大きな何かの一部でもあると気づくことについても語っています。私の最大の望みは、観終わった視聴者がこうした考えや疑問を抱いてくれることです。 』と熱いメッセージを送った。


リリース情報

シリーズの撮影は2021年2月18日〜6月5日の期間行われた。

全6話(各30分)のエピソード構成でミニシリーズとして制作。2021年10月29日よりNetflixで独占配信される。

作品ページ・予告編は▶︎こちらから

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