ファンが待ち続けたあの強盗団が、ついに終わりを迎える─。
Netflixの大人気TVシリーズ「ペーパー・ハウス」(原題:La Casa de Papel/英題:Money Heist)のパート5が、いよいよ2021年9月3日に配信開始される。
最終シーズンは2回に分けて配信され、後半は2021年12月3日の到着となる。
同シリーズは、アレックス・ピナによって制作されたスペイン発の犯罪ドラマで、2017年よりNetflixが配信権を獲得。教授と呼ばれる首謀者と8人の強盗団が〈スペイン史上最大の銀行強盗〉に挑むストーリーに、多くの視聴者が夢中になり今やNetflixを代表するオリジナル作品として人気を博している。
パート5では激しいアクションに加えて、ベルリンとトーキョーが辛い過去や亡霊と向き合う感傷的に浸る瞬間がいくつか用意されている。アレックス・ピナによれば、『手に汗握るアクションと過去への深い掘り下げにより、シリーズ史上最も壮大でエキサイティングなシーズンになるでしょう』と集大成に相応しい展開になることを約束している。
ここでは、最終章を視聴する前に知っておきたい事前情報を紹介!作品の魅力やキャスト、プロットの最新情報をまとめている。
■世界的な成功を収めるまでの道のり
「ペーパー・ハウス」はもともとスペインのTV局 “アンテナ3” で2017年より放送開始し、2つのパートからなる15話のシリーズとして制作された。当初430万回という驚異的な再生回数を記録したが、すぐに視聴者数は激減し、脚本家ハビエル・ゴメス・サンタンデール率いるクリエイターたちは『失敗作』の烙印を押し番組の引き上げを検討した。
しかし、パート2が終了した後 Netflixがストリーミング権を獲得したことで番組は救済。「Money Heist」と英題を付け、何の宣伝もせずに国際カタログに加えた。
新たな命を吹き込んだ番組の人気は国境を越え、世界中のファンが熱狂しているというニュースがいくつも投稿された。ほどなくして、出演者たちの名は広まりInstagramのフォロワーはみるみる増加したという。
2018年には国際エミー賞の最優秀ドラマ・シリーズを受賞するほか、サッカー選手のネイマールやマルク・バルトラ、米歌手のロメオ・サントス、作家のスティーブン・キングなど、著名人もSNSで話題にするようになった。ちなみにネイマールはパート3にカメオ出演している。
一方で、赤いジャンプスーツとサルバドール・ダリのマスクは、アメリカ、ヨーロッパ、アジアのさまざまな国で行われた政治集会や抗議活動のシンボルとなった。また、イタリアの反ファシストソング『Bella Ciao(訳:さらば恋人よ)』は、現在ネット上で何千もの言語バージョンで公開されている。
IMDbの『世界で最も人気のあるテレビ番組』ランキングで2位を獲得するのに時間はかからなかった。特に、フランス、イタリア、アルゼンチン、チリ、ブラジル、ポルトガルでは〈Netflixで最も視聴されているコンテンツ〉のひとつとして成功しており、近年は北アフリカ、中東、トルコでも人気が上昇しているという。
■パート4でナイロビを殺した理由
パート5の見どころを語る前に少し時間を巻き戻そう。前作のハイライトであったナイロビの死は、多くの視聴者に衝撃を与えた。
彼女は番組の中でも人気の高いキャラクターのひとりで、息子と再会することを夢見ていただけに最期は辛いものだった。監督のヘスス・コルメナールは、ナイロビが死ななければならなかった理由について “視聴者のアドレナリンが高まるのに役立つ” と説明している。
(あの死は)各キャラクターに勢いを与えるものでした。我々がキャラクターを殺すことで、緊張感を高めているのです。運命は予測できないことを伝えるには良い方法でした。
さらに、ナイロビは差し迫ったシーズン5の対決には適さない人物であったと明かし『彼女はそのために呼ばれたのではない』と付け加えた。
最終シーズンは、より暴力表現が過剰になり多くの死者が出るだろう。ショーランナーたちはクリフハンガーに頼ることはできず、未解決の問題を全て解決しなければならない。一つだけ確かなことは「ペーパー・ハウス」は、劇的で予想外の結末を迎えるということだ。
■フィナーレは全面戦争!これまでになく過激で熾烈な戦いを描く
パート5は、強盗団がスペイン銀行に閉じ込められて100時間以上が経過したシーンから始まる。
リスボンの救出には成功したものの、仲間の1人を失ったことによる深い悲しみに包まれていた。そんな中、教授がシエラに捕らえられてしまい計画なしの行動を余儀なくされる。
これ以上の窮地はないかのように思えた時、最強の敵〈軍隊〉が姿を現す。
─ 泥棒は戦争の始まり。空前絶後の強盗がいよいよ終幕を迎える!
アレックス・ピナによるとフィナーレは全面戦争になるという。『より大きな苦悩と緊張感を生み出すために、過激な撮影方法を研究しました。巨大なセットを作りそれを壊すための撮影をね。学ぶことはたくさんありましたが、これこそが一番の醍醐味です。』と振り返っている。
■トーキョー演じるウルスラ・コルベロ、最終シーズンの撮影は『すべてのシーンで泣いていた』と振り返る
主演のウルスラ・コルベロは、パート1から登場する中心的なキャラクター〈トーキョー〉を演じている。最後までストーリーをかき乱し盛り上げたトーキョだが、どんな結果になろうとも感動的な終わり方になることは間違いないだろう。
コルベロは、Harpers Bazaarとのインタビューで、最終シーズンの撮影中はずっと感傷的になったことを明かしている。
すべてのシーンを撮影している間、涙が止まらなかったのを覚えています。胃痛もひどかったの。
なぜなら、私にとってこのショーはたくさんのクレイジーなことが起こったから。
私の人生は変わったし、いまは感謝と誇りでいっぱいです。
トーキョーと離れるのはすごく寂しいけど、同時に彼女は永遠に私の一部になるはずよ。
■強盗団ついに終焉… 愛すべきキャラクターの新ビジュアル公開!
その他、脇を固めるキャストたち
- アルトゥーロ 役:エンリケ・アルセ
- ルイス・タマヨ警視監 役:フェルナンド・カヨ
本作の製作総指揮を務めるのは、ヘスス・コルメナール。アレックス・ピナも製作総指揮兼ショーランナーを担当している。また、クリスティーナ・ロペス・フェラズが製作監督兼製作総指揮に復帰。
ハビエル・ゴメス・サンタンデール (主任脚本家)、ミゲル・アモエド (撮影監督)、エステル・マルティネス・ロバトも共同プロデューサーとして名を連ねている。
メガホンを取るのは、ヘスス・コルメナール、コルド・セラ、アレックス・ロドリーゴが監督を務める。
■パート5に登場する新キャスト情報!
トーキョーとベルリンの過去にまつわる2人の重要キャラクターが登場。
シーズン5では、ミゲル・アンヘル・シルベストレ、パトリック・クリアド、ホセ・マヌエル・セダ が加わることが発表されている。このうち2人は、主要キャラクターの人生に深く根ざしている重要なキャラクターになることが分かっている。
ゲル・アンヘル・シルベストレは、トーキョーの最愛の人であり強盗に殺されたレネ役を。パトリック・クリアドはベルリンの息子であるラファエル役を演じる。
一方、ホセ・マヌエル・セダは特殊部隊のサガスタ司令官として参加する。
(写真左から)
- ミゲル・アンヘル・シルベストレ
出演作:『スカイ・ロッホ -赤い空の向こうに-』『センス8』 - パトリック・クリアド
出演作:『La gran familia española』『麻薬王の後継者』 - ホセ・マヌエル・セダ
出演作:『トイ・ボーイ』『Amar en tiempos revueltos』
■リリース情報
パート5の撮影地は、スペイン、デンマーク、ポルトガルを中心に行われた。
全10話のエピソード構成となり、2021年9月3日と12月3日の2回に分けて配信される。
作品ページ・予告編は▶︎こちらから
■本当にこれで最後?! …続編への期待
「ペーパー・ハウス」はパート5で終了するが、関係者の誰もが再演する可能性を完全には否定していない。
アレックス・ピナは『パート5 が終わったら次に何をするかを考えています。でも今のところは続編の予定はありませんね。』と、自身の中で大きな区切りを迎えたことを明かしている。
ウルスラ・コルベロ(トーキョー役)は、『撮影を終えたときトーキョーには別れを告げないことにしました。あまりにも悲しすぎるから永遠に連れ添うことに決めました。とりあえず今は他の仕事をするのが健全だと思ってますが、もし数年後に…となったら戻ってこれないわけではありません。』と可能性を残している。
アルバロ・モルテ(教授役)はシリーズの終わり方に満足しており、視聴者もきっと納得してくれると信じているようだ。しかし、彼はまだドアを開けたままにしている。『“教授” に戻ることができたら嬉しいですね。(生きていれば)どんなことでも起こる可能性がありますから。』
ストーリーテリングの性質上、どのキャラクターもスピンオフへ展開できるの可能性があることから今後の動向に注目したい。
一方で「ペーパー・ハウス」のコンテンツはすでに拡大中だ。現在、韓国バージョンにリメイクされたTVシリーズがNetflixで制作中。朝鮮半島を舞台に、教授と個性豊かな強盗メンバー、そして人質や機動部隊とのスリリングな攻防戦を描いたクライムサスペンスが間もなく独占配信される。
続報をお楽しみに!