Netflix新規加入者数鈍化も日本と韓国で増加傾向 ─コロナ需要に終止符か

Netflixの創業者 リード・ヘイスティングス @GETTY IMAGES FOR THE NEW YORK TIMES


米Netflixは20日に、2020年第3四半期の新規加入者数が過去4年間のどの時点よりも減少したと発表し、ロックダウンによって受けた巣ごもり需要の恩恵は、最高益を記録した半年間で終止符を打った。

同社は2020年1月〜3月に1577万人、4月〜6月に1009万人の新規加入者を獲得し過去最大の成長をもたらした。米Reutersの報道によると、COVID-19の制限が緩和されたことで成長は鈍化すると予想されていたが、7月〜9月の新規加入者数は220万人にとどまり、これは2016年以来 最小の四半期比となる。同社が予測していた加入者250万人とアナリストが予測していた390万人の両方を下回る結果となった。

全世界のユーザー数を1億9500万人強まで伸ばしたNetflixは、2020年残りの3ヶ月で600万人の純増を見込んでおり、年内で会員数を2億人の大台に乗せる見通しでいる。

▲Netflixオリジナル映画「キューティーズ!」

〜主な背景〜
COVID-19の影響により映画館が閉鎖し、自宅待機を強制された何千万人の人々はエンターテイメントを求め動画配信サービスに目を向けた。Netflixの需要が急激に増加したことで帯域幅の制限に対処するため、一時的にヨーロッパのストリーミング品質を下げなければない事態に陥ったことは記憶に新しい。同社はこの急成長は一時的なもので、消費者がロックダウンから抜け出せば鈍化すると予測しており、2020年第3四半期の結果は想定内といったところだろうか。
9月にはフランス映画「キューティーズ!」で未成年の少女を性的に描いていることが物議を醸し、米国のユーザーが相次いで解約したことも要因のひとつに挙げられる。それでも同社は好調な売上と新規加入者数を報告している。

▲リード・ヘイスティングス @ASEAN-Korea Summit

〜驚くべき事実〜
Netflixによると、2020年9月末までの新規加入者の約46%がアジア太平洋地域に集中しており、特に日本と韓国がその原動力だったという。ここ数年で、海外の視聴者向けの新番組が増加しているのは米国以外での事業拡大に取り組んでいるからであり、米国での成長の減速を相殺する目的でもある。

多くの映画会社やテレビ局が製作を中止したにもかかわらず、Netflixはコンテンツがなくなる危険はないと述べている。同社の報告によると、ほとんどの作品は2021年リリースに向け撮影が再開され、今後は強みであるオリジナル番組の製作が増える見込みだという。

[Source]forbes.com

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