アンドリュー・ドミニク監督が再考したマリリン・モンローの物語「ブロンド」が、いよいよNetflixで配信開始される。
『この映画は単純でありきたりではない、感性を刺激するようなもの』
─そう語るのは、伝説のブロンド美女を演じるアナ・デ・アルマス。
米作家ジョイス・キャロル・オーツが、2000年に発表したベストセラー小説『Blonde』に基づいて制作されたこの映画は、不朽の名作『七年目の浮気』や『紳士は金髪がお好き』といったモンロー作品の再現に満ちている。しかし、モンローを象徴する馴染みあるシーンを描き出す一方で、俳優としての心情や彼女の本質的な部分を見つめ直す “素顔”に迫った1本でもある。
これはハリウッドのスーパースターという地位の中に閉じ込められた、臆病なひとりの女性の物語である。
そんなストーリーを少しでも味わってもらうために、ここでは「ブロンド」について知っておくべきことをまとめている。
■仮面の下に隠されたノーマ・ジーンという女性
公私で見せる姿を変えていたと言われるマリリン・モンロー。
ノーマ・ジーンとしての不安定な幼少期から、スターの座へと駆け上がるまで、「ブロンド」では事実とフィクションの境界線にとらわれることなく、公私でまったく違う姿を見せるモンローの素顔に迫っていく。
複雑で派手な男性遍歴、波乱に満ちた私生活、名声がもたらした思わぬ代償…。
ハリウッドの伝説的存在であるマリリン・モンローの人生を、新たな視点から大胆に描き出すフィクションだ。
■モンローを語る上で外せない著名人がズラリ!
キャストには、マリリン・モンロー役のアナ・デ・アルマスに加え、人気ハリウッドスターに扮したオールスターキャストが続々と登場する。
その他、元アメリカ大統領のジョン・F・ケネディ役にキャスパー・フィリップソン、メイクアップアーティストのアラン・ホワイティ・スナイダー役にトビー・ハス、母親グラディスの若かりし頃をリリー・フィッシャーが演じている。
■モンローの歩みを投影したこだわりの演出
デ・アルマスはモンローに近づけるため、毎日3時間かけてヘアメイクをし、100着もの衣装を着こなしたという。
さらに、47日間の撮影期間中、ロサンゼルスとその周辺を中心に25ヶ所ものロケ地で撮影。その中には、大手映画スタジオのワーナーブラザースと20世紀フォックス、LAの老舗レストラン『ムッソー&フランク』、セレブが集うマリブの美しいビーチが含まれている。
制作は、モンローが幼少期に住んだの家の近くにあるハリウッドのローリー・スタジオで始まった。
“本のページをめくる” ような効果を生み出す
前途のとおり、映画の中ではモンロー以上にノーマ・ジーンについて描かれている。その二面性のある人生と、自分を変える力が散りばめられているのだ。
劇中では、カラーと白黒の切り替えや、異なるアスペクト比を取り入れている。撮影監督のチェイズ・アーヴィンによると、この決定は、ドミニク監督がモンローの生涯を纏めた780ページにわたる写真からインスピレーションを得たものだと説明。
『マリリンの魂と交信しているような映画を作りたかった。ひとりの人間の心理状態や感情の起伏、それがどのように流れていくかを描写しているんだ。あるシーケンスでカラーで撮るのかモノクロで撮るのか選択しなければならない時、それは直感に従ったよ』とTUDUMに明かした。これらの選択は、『本のページをめくる』ような効果を生むとアーヴィンは説明している。
生前に撮影されたモンローの姿を映し出す
主演のアナ・デ・アルマスは、多くのシーンはモンローが残した写真に基づいていると述べている。
映画「ブロンド」は、2022年9月28日よりNetflixで独占配信開始。
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