現在イギリスの一部劇場で先行公開中の「アイ・ケイム・バイ」(原題:I Came By)が、いよいよNetflixで2022年8月31日より世界配信される。
『ワウンズ: 呪われたメッセージ』『アンダー・ザ・シャドウ 影の魔物』を手掛けたババク・アンヴァリが脚本・監督を務めるこのサスペンス映画は、若きグラフィティアーティストがある判事の暗い秘密を偶然知ってしまい、命がけのゲームに巻き込まれていく物語だ。
『ヒッチコック風なネオ・ノワール映画だ』と監督自ら評する本作は、アンヴァリにとって故郷でありながら、ロンドンで撮影した初めての作品となる。実は20年前から構想を練っていたそうで、当初は自身初の長編映画になると考えていたようだ。
■漆黒の秘密は、必ず白日の下に…
〈STORY〉
ロンドンの富裕層の邸宅に狙いを定め “作品” を残していく、反骨心あふれる若手グラフィティアーティスト。
彼は、ある高名な裁判官にまつわる驚愕の秘密を知ったことで、自分と身近な人々に危険が及び始める…。
持てる者と持たざる者に生まれる溝を描き出す…
ロンドンを舞台にしたスリリングな展開は、一見ヒッチコック風のスリラーを思わせるが、貧富の格差や社会制度がいかに弱者を軽視しているかという現代のテーマへも踏み込んでいる。
一方では、殺人を犯しても平然と日常生活を送る権力者。もう一方では社会に不満を持つ若者たち…。
人生に希望を見い出そうと、抗議の意思を示そうとするが彼らは金持ちの家に忍び込み壁に落書きをする以外の表現方法を知らない。どうすれば社会を変えられるのか、どうすれば今よりも良くなるのか、どうすれば自分自身が変われるのか…そんなことに無力を感じているのだ。
監督は『(映画のアイディアを)20代前半に思いついた時も、友人たちとこんな会話をしていたんだ。20年経った今でもまだ起きているのはおかしいよ』と、現実世界の出来事を映し出したその内容は、一部の視聴者にとって骨身にしみるかもしれないとDigital Spyで振り返っている。
これには、アーティストを演じる主演のジョージ・マッケイも、裕福な人々と特権を持たない人々の違いを明らかにするロンドンの描写を『僕らの知っているロンドンの姿を見ているようだ』と共鳴している。
■ヒュー・ボネヴィルが初の極悪人に扮する!
メインキャストには、[※写真左から]ジョージ・マッケイ(トビー 役)、ケリー・マクドナルド(トビーの母親 役)、ヒュー・ボネヴィル(ヘクター・ブレイク 役)、パーセル・アスコット(ジェイ 役)が名を連ね、複雑に絡み合う人間関係を描いていく。
ヒュー・ボネヴィルと言えば、『ダウントン・アビー』のロバート役や、『パディントン』のブラウン役で知られる英国俳優で、いわゆる“いいやつ” を演じる印象が強かったが、今回は初の主役級となる悪役に挑戦している。
本人も『最近演じてきた他のキャラクターとは一線を画している』と自信をみせており、『社会の状況を見ても、実際権力者たちは腐敗していて、(ストーリーが)真実からそう遠くないということに気づかされるだろう。』と、Digital Spy で訴えている。
■リリース情報
映画「アイ・ケイム・バイ」は2022年8月31日よりNetflixで配信開始。
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