メリッサ・マッカーシーの新作映画「ムクドリ」がNetflixで配信開始!─先行公開の米国では辛口レビューも、マッカーシーの演技が光る


メリッサ・マッカーシーは今年配信されたNetflix映画『サンダーフォース -正義のスーパーヒロインズ-』に続き、早くも新作映画を引っさげて大画面に戻ってくる。

2021年9月24日にNetflixで配信する「ムクドリ」(原題:The Starling)は、メリッサ・マッカーシーとクリス・オダウドがつらい試練を経験する夫婦役を演じ、その後の日常を描く心温まるコメディドラマ。

メガホンを取るのは、アカデミー賞に2度のノミネート歴があるセオドア・メルフィ監督(『ドリーム』『ヴィンセントが教えてくれたこと』)が担う。脚本は、2005年の『The Black List *』に選出されたマット・ハリスの執筆した原作に基づいて制作されている。
(*脚本家と映像製作者のマッチングプロジェクトで、映画化されていない脚本や企画を対象とする評価システムを設けたWEBサイト。)


喪失感に苦しむ主人公に勇気と愛を与えたのはムクドリだった…。

©︎ 1997-2021 Netflix,Inc.

夫のジャックが自らの苦悩と折り合いをつけていく一方で、妻のリリーは現実の世界で罪悪感にさいなまれながら、秘密を抱えてもがく日々を過ごしていた。

そんなリリーの不幸な状況に追い打ちをかけるかのように、裏庭に巣を作ったムクドリが、リリーに嫌がらせや攻撃をし始める。

やがて、このムクドリが彼女の抱える問題のすべてを象徴していき、おかしくも鳥を仕留めることで頭がいっぱいになってしまうリリー。最終的にリリーは、風変わりな元心理学者で過去に問題を抱える獣医、ラリーに助言を求めるようになる。

©︎ 1997-2021 Netflix,Inc.

互いの問題に対して理解を深め、共に乗り越えようと立ち向かう2人は、思いもよらないユニークな友情を育んでいくのだった─。


アワードの常連の実力俳優が勢揃い!

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メインキャストは以下のとおり(写真左から)

  • アカデミー賞とゴールデン・グローブ賞各2度ノミネートのメリッサ・マッカーシー
    出演作:『ある女流作家の罪と罰』『ヴィンセントが教えてくれたこと』『SPY/スパイ』『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』
  • エミー賞ノミネートのクリス・オダウド
    出演作: 『State of the Union (原題)』『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』『ソウルガールズ』
  • アカデミー賞受賞を誇るケヴィン・クライン
    出演作:『デーヴ』『美女と野獣』『ワンダとダイヤと優しい奴ら』『ワイルド・ワイルド・ウエスト』『イン&アウト』
  • エミー賞ノミネートのティモシー・オリファント
    出演作:『JUSTIFIED 俺の正義』『go』『パーフェクト・ゲッタウェイ』

その他、脇を固めるキャストに、トニー賞受賞を誇るダヴィード・ディグス(『ブラインドスポッティング』『ワンダー 君は太陽』)、スカイラー・ギソンド (『お! バカんす家族』『ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密』)、エミー賞ノミネートのロレッタ・デヴァイン(『グレイズ・アナトミー』『ファミリー・ストーリー ~これみんな家族なの?~』)、ローラ・ハリアー(『ブラック・クランズマン』『スパイダーマン: ホームカミング』)、ロザリンド・チャオ(『恋人はゴースト』『フォーチュン・クッキー』)、キンバリー・クイン(『ドリーム』『エル・カミーノ・クリスマス』)が出演する。


批評家の反応は?

本作はNetflixでの配信に先立ち、トロント国際映画祭(9月9~18日開催)でプレミア上映されるほか、米国で9月17日より劇場で限定公開されている。

一足先に鑑賞した批評家からの反応はというと…控えめに言っても酷評の嵐が吹き荒れている。

米The Hollywood ReporterのCaryn Jamesは、脚本、予測可能なストーリー、ありきたりな表現など、あらゆる点を批判。また、ディグスとオリファントを例に挙げ、俳優の無駄遣いが多すぎると指摘している。

“『The Starling』は予想通りの展開と陳腐な比喩で、典型的なお涙ちょうだい映画なのにノワールに見えるほど、ドロドロとした感傷的な作品だ。注目の3人のスターが生き生きとした演技をしているにもかかわらず、絶望するほどありきたりなものになっている。”

米The WrapのElizabeth Weitzmanも、ハリスの “薄っぺらい” 脚本、セリフがあまりにも堅苦しいと批判。しかしそんな中でも、オダウドは自身のキャラクターに感情を吹き込みベストを尽くしていたと讃した。ひどい比喩表現や馴れ馴れしすぎる側面についてもコメントし、全体的にこう指摘している。

視聴者にとって、ホールマーク・チャンネルで見た方がよっぽどしっくりくるような映画に出くわして今頃驚いているだろう。

※家族向けの番組を対象としたアメリカの有料テレビケーブルチャンネル

The Guardian紙のPeter Bradshawは、完全に時間の無駄だとバッサリ。オリファントをはじめとする脇役があまりにも活用されていないと批判している。新鮮味に欠ける比喩や分かりきった筋書きにも失望し、全体的にこう指摘している。

“このセンチメンタルなドラメディは、あらゆる点で馬鹿げて見かけ倒しだ。驚くべき失言の祭典である。ありえないシーン、説得力のないキャラクター、不自然な表現、足がすくむ拒否反応…クライマックスは、純粋な心を攻撃するために作られた生物兵器並の破壊力がある。

バラエティ誌のGuy Lodgeは、マッカーシーの役作りをカリスマ性があると称賛しながらも、良い映画にそれだけでは不十分だと論じている。これまでの批評家と同様に、予測可能なストーリーや、名優たちがあまりにも活用されていないことを指摘している。

ロッジの意見に反して、サンフランシスコ・クロニクル紙のCarla Meyerは、マッカーシー自身と演じるキャラクターとのギャップに違和感を持っていると述べ、体を張ったコメディーの瞬間が痛々しく拷問のようだとコメント。演技のばらつきやサウンドトラックについても批判し、マッカーシーのスクリーンタイムの多さに対してオダウドが十分な仕事を与えられなかったと主張している。

“早送りボタンは『The Starling』のためにある。

このように前評判は低い結果となってしまったが、映画の評価をめぐる批評家とオーディエンスの間にはいつも温度差があり求めるものは違うため、実際に楽しむことができるかもしれない。

秋の夜長に心温まる「ムクドリ」をぜひチェックしてみてください。作品ページ・予告編は▶︎こちらから

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