アカデミー賞短編実写映画賞にノミネートされた話題作「歌うたい」(原題:The Singers)が、2026年2月13日よりNetflixで独占配信される。
古典文学を原案に場末の酒場で巻き起こる即席歌合戦を描いた本作は、無名の才能たちが織りなす“奇跡のハーモニー”で観客の心を揺さぶる一本だ。
■ 古典文学×現代アメリカの異色融合ストーリー

物語の舞台は、どこにでもある近所のダイブバー。
常連たちは雑談を楽しんだり、酒に逃げ込んだりといつも通りの夜を過ごしていた。ところが、何とはなしに始まった“のど自慢”が、魂をさらけ出すようなひとときへと変わっていく─。
本作は、サム・A・デイヴィス監督による短編映画で、原作は1850年に発表されたイワン・ツルゲーネフの短編小説『歌うたい』に基づいている。同名の古典を、現代アメリカの酒場を舞台にした寓話として大胆に再構築している。
▼原作の小説もチェック!
![]() | 『猟人日記 完全版』 ツルゲーネフ(著)/Kindle版/米川正夫(訳) 『歌うたい』は、1847年〜1851年に雑誌『同時代人』に掲載された全22編の短編小説集『猟人日記』に収録された物語だ。 |
■ 発想の原点は“偶然の衝突”

デイヴィス監督が原作を知ったのは、作家ジョージ・ソーンダーズの講義本『A Swim in a Pond in the Rain』に収録されていたツルゲーネフ作品を読んだことがきっかけだった。しかし、映画化の着想が決定的になったのは、ニューヨークの地下鉄でストリート歌手マイク・ヤングが『アンチェインド・メロディ』を熱唱するバイラル動画を目にした瞬間だった。
監督は当時の状況をTudumで振り返っている。
約200年前の短編小説とバイラル動画が衝突し、ひとつの鮮明なビジョンになった瞬間だった。SNSで見つけた無名の過小評価されている才能たち──荒削りの天才が、安酒場に隠れているという現代版「歌うたい」の姿が見えたんだ。
■ SNSで発掘された“無名の才能”キャスト
デイヴィス監督は、この映画で俳優デビューを果たすマイク・ヤングを中心に、1年かけてSNSやネット上から出演者を探しアンサンブルを組んだ。


キャストには、オーストラリア版『ザ・ヴォイス』の優勝者ジュダ・ケリー、ニューオーリンズのストリートピアニストのウィル・ハリントン、オクラホマのオペラ歌手兼ボイスコーチのマット・コーコラン、フォーク・ブルース界の名匠クリス・スミザーらが出演。
脇を固めるのは “歌わない常連客” 役の面々で、アフガン戦争退役軍人ダニエル・“ハッチ”・ハッチンソン、アーカンソー出身のデヴィッド・スコット・“マフィン”・マクマリー、バイラル動画で話題になったエルサルバドルのタイヤショップダンサーのティオ・リゴとミスター・ジョージ、さらにロサンゼルス周辺のバーでスカウトされた地元民たちが名を連ねている。
監督は撮影中のエピソードをTudumに語った。
小さなチームと35mmカメラ、175年前のテキストを基にした大まかな構成だけを頼りに4日間こもり、即興的にカタチ作っていった。キャストの実体験を素材にしながら、気づけばひと癖ある家族のようなチームになっていたよ。部屋に漂う煙のように、あの場には確かに特別な瞬間があったんだ。
■ リリース情報
短編映画「歌うたい」(原題:The Singers)は、2026年2月13日よりNetflixで独占配信。上映時間18分。
作品ページ・予告編は▶︎こちらから
2025年には50の映画祭で計35冠を獲得し、2026年1月22日にはアカデミー賞短編実写映画賞に正式ノミネートされている。







