米Netflixは、チェスを題材にしたオリジナルTVシリーズ 「クイーンズ・ギャンビット」が、2020年10月23日配信以降、4週間で6200万世帯の視聴者数を獲得したと発表した。
本作はリミテッド・シリーズの1シーズンのみの限定のショーであり、Netflix史上最も視聴された限定シリーズとなった。
この世界的ヒットにより、原作小説『The Queen’s Gambit』が37年越しにニューヨークタイムズ紙のベストセラーリストに掲載されるほか、Googleの“チェス”の検索数は倍増し、“チェスの遊び方”の検索においては9年振りにピークを迎えた。
さらに、チェスへの関心は企業へも波及している。世界最大級のオークションサイトeBay ではチェスセットの売上が250%増加、ゴリアテゲーム社のチェスセット売上は170%増加した。オンラインゲームの Chess.comでは新規登録者が5倍に増えるなど、いまや社会現象となっている。
「クイーンズ・ギャンビット」は、1950年代の児童養護施設で人並外れたチェスの才能を開花させた少女が、依存症に苦しみながら想像もしていなかった華やかなスターへの道を歩いていく物語。天才少女ベスを演じたアニャ・テイラー=ジョイの圧倒的な存在感と演技力は、多くの視聴者を惹きつけた。また、SNS上ではベスのファッションや髪型の世界観に夢中になる人が続出している。
ちなみに、これまでのNetflixオリジナル作品と比較すると、マーティン・スコセッシ監督のマフィア映画『アイリッシュマン』や、アメリカで大ヒットになったドキュメンタリー『タイガーキング』と同等の視聴者数となるという。