『ピーキー・ブラインダーズ』のクリエイター、スティーヴン・ナイトが手がける新作ドラマ「ハウス・オブ・ギネス」(原題:House of Guinness)が、いよいよこの秋、2025年9月25日に登場する。
霧の街イギリス・バーミンガムから舞台を移し、今度は19世紀ダブリンの裏路地や豪邸、そして世界的に有名なギネス醸造所を描く。
権力と享楽にまみれた一族の物語が、ついに幕を開ける─。

■「ハウス・オブ・ギネス」とは?

本作は、ヨーロッパでも屈指の名門一族・ギネス家を題材にした壮大な物語だ。
舞台は19世紀のアイルランド・ダブリンとニューヨーク。ギネス醸造所を世界的な成功へと導いたベンジャミン・ギネス卿の死の直後に始まる─。
彼の遺言は成人した4人の子どもたち、アーサー、エドワード、アン、ベンの運命を大きく揺るがしていくのと同時に、ダブリンの街でギネス家という稀代の一族と関わりを持つ人々にまで波紋を広げていく。


ナイトはTudumに語る。『世界最大のビール醸造所を受け継いだ若き一族の物語だ。最初の使命は“失敗しないこと”、次の使命は“ギネスをさらに大きくすること” なんだ』
大富豪の遺産をめぐって子どもたちが争う構図はHBOの『メディア王 〜華麗なる一族〜』を彷彿とさせるが、「ハウス・オブ・ギネス」では “死後の遺言” に加え、19世紀アイルランドという動乱の時代を背景に、醸造所を中心とした街の生活や社会問題とも密接に絡み合う。単なる“相続劇”ではなく、国家のゆくえや人々の暮らしと直結したスケール感が大きな違いだ。

さらにナイトによれば、アーサーとエドワードの兄弟は物語の“心臓部”だと訴える。『ベンジャミンは亡くなる前、意図的に二人を“共同経営者”として結びつけた。その理由に注目しながら見てほしい』と呼びかけた。
正反対の性格を持ちながらも、ひとつの事業を背負うことになった二人の複雑な関係こそがドラマの核心をなす。
■ファーストルック公開
初公開の場面写真では、4人のきょうだいを中心に、彼らを取り巻く魅力的な人物たちも登場。
BAFTAノミネート俳優ジェームズ・ノートンが演じる謎めいたショーン・ラファティ、誘惑的なオリヴィア・ヘッジズ夫人、決意に満ちたエレン・コクランなど、多彩なキャラクターが物語に厚みを加える。
ナイトは『ラファティの存在は、このシリーズを象徴するもの。彼と一族の関係性が、物語を現代的に見せている』とコメントしている。










■実力派と若き才能が集結!ドラマを彩るキャスト・登場人物を紹介
ギネス一族を演じるのは誰?19世紀ダブリンを生きる登場人物たちを紹介しよう。
![]() ショーン・ラファティ 役 現場を率いる醸造所の工場長。カリスマ性があり、時に冷酷…ギネス家とその名声を守るためなら手段を選ばない ───────── ジェームズ・ノートン James Norton 出演作:『ハッピー・バレー 復讐の町』『マクマフィア』 ![]() | ![]() |
■シリーズの発案者はギネス家の子孫!名匠スティーヴン・ナイト率いるクリエイター陣が映像化を実現

「ハウス・オブ・ギネス」はスティーヴン・ナイトが制作・脚本・製作総指揮を務め、カレン・ウィルソン、エリノア・デイ、マーティン・ハインズ、トム・シャンクランド、そしてイヴァナ・ローウェルらが製作総指揮として名を連ねている。
このイヴァナ・ローウェル(現在58歳)という人物は、実はギネス家の子孫で、本企画の原案を手掛けた発案者なのだ。彼女は一族の確執、スキャンダル、秘密、悲劇を赤裸々に綴り、創作の原点となる “家族の語り部” としての役割を担っている。
アイデアのきっかけとなったのは、アイルランドに親族が集まり『ダウントン・アビー』を観ていた時だったという。ローウェルは当時の心境を『うちの家族の歴史のほうがずっとドラマチックで面白いし、しかもすべてが事実よ』と吐露。帰宅後、彼女は20ページにわたる企画書を書き上げ、一族の栄光と苦難をドラマ化する構想をまとめたそうだ。
それから10年…このアイデアはスティーヴン・ナイトによって具現化され、ようやく実を結んだのだ。ナイトは当初の印象をBBCにこう語っている。『イヴァナはまさに情報と未公開エピソードの宝庫だった。彼女からは家族の物語だけでなく、きょうだいの自信や精神、少し風変わりな気質まで伝わってきた。出会った瞬間に心を掴まれたよ』と振り返っている。
シリーズプロデューサーはカハル・バノン、プロデューサーはハワード・バーチ、監督はトム・シャンクランド(5話分)、ムーニア・アクル(3話分)がメガホンを取る。製作会社はKudosが担当。
ナイトは2022年に同社と戦争スリラードラマ『SAS: Rogue Heroes(原題)』でタッグを組んでおり、今回もその縁で本企画に参加することとなったという。
『ビールに興味があるかと聞かれて、もちろん“イエス”と答えたよ』と笑いを交えて振り返っている。
■「ハウス・オブ・ギネス」は実話に基づいているのか?
もうお気づきだろうが、その答えはイエスだ。
本作は実在したギネス家を題材としており、特にベンジャミンとその子どもたちに焦点を当てている。
劇中の出来事がどこまで史実に忠実かは明らかになっていないが、スティーヴン・ナイトは実話から多くの要素を見いだしたと強調している。

そんな中、制作陣が下した重要な決断のひとつが架空の人物を登場させることだったという。例えばジェームズ・ノートン演じる醸造所長のショーン・ラファティは、セクシーかつ狡猾な魅力を持つ “家族のフィクサー” として描かれている。ギネス家に忠実でありながら、決して対等な存在ではなく“召使い”であることを忘れさせてもらえない男…この設定が物語に緊張感と情熱を与えているのだ。
このように物語を面白くする“火種”、つまり架空キャラクターの登場により一部は脚色されている。
■黒い黄金の伝説を味わう準備を整えよう!リリース情報はこちら

かつてはアイルランドのパブと年配男性の象徴のように扱われていた黒ビールが、いまや若者の間で新たな人気を博しているように、この「ハウス・オブ・ギネス」の物語も決して古臭くない。エネルギーに満ち、サウンドトラックも活気にあふれている…多くの人が喜んで飲み干すことだろう!
TVシリーズ「ハウス・オブ・ギネス」は全8話のエピソード構成で、2025年9月25日よりNetflixで一挙独占配信。
作品ページ・予告編は▶︎こちらから