オスカー女優のジュリアン・ムーアを筆頭に、『ホワイト・ロータス』のメーガン・ファヒー、『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』のミリー・アルコック、そして名優ケビン・ベーコンら豪華キャストが集結した、ドラマ「セイレーンの誘惑」(原題:Sirens)が2025年5月22日よりNetflixで独占配信される。
“上流社会の闇” をブラックユーモアと心理サスペンスを交錯しながら描く異色作だ。
何かがおかしい…「セイレーンの誘惑」の世界観

謎に包まれた離島の豪邸クリフ・ハウスを舞台に繰り広げられる、労働者の日(Labor Day)の週末。
そこで目にしたのは、妹シモーヌとその上司ミカエラ・ケルとの不気味な “親密さ” だった。


ミカエラは島の社交界を支配する慈善家であり、シモーヌは彼女の魅惑的な生活にすっかり魅了されていた。デヴォンは妹を救おうと動き出すが、ミカエラの権力は思った以上に強大で……。
本作は、ギリシャ神話の〈セイレーン〉をモチーフに、女の欲望、権力闘争、階級社会の歪みに鋭く切り込む人間ドラマだ。
※〈セイレーン〉はギリシャ神話に登場する魅惑的な存在で、歌声で人を魅了し惑わせる能力を持った海の魔物として知られている。その歌声は船乗りたちの心を捕らえ、破滅へと導く…
怪物か?救世主か?
──ミカエラ・ケルの危険な魅力

『この物語には多くの牙がある』と話すのは、シリーズの制作・脚本を手掛けたモリー・スミス・メッツラー。
『ドラマチックな展開と不快さすら覚える人間関係が交錯する真のダークコメディ』と表現し、その中心となるのがミカエラ演じるジュリアン・ムーアの存在にあるという。
キャスティングは『夢のような人選』だったと振り返り、『彼女は幽玄な雰囲気を持ち、まるでどこかの王国から来たような存在だった。普通の人ではないの』とその圧倒的存在感を絶賛している。


物語の多くは、デヴォンが妹との関係を修復しようとするもミカエラの存在によって阻まれる展開で描かれる。ミカエラは島とシモーヌの心を支配する、魅惑的で不可解な女性なのだ。
この“共依存関係”は、トラウマで結ばれた背景があるとメッツラーは言う。『彼女たちが互いに求めるものは物語が進むにつれ変化していく』
彼女に心酔するのはシモーヌだけではない。“ザ・フェイツ” と呼ばれる囲いが『ミカエラとの絆が力を与える』と崇拝し、神のように扱う。
しかし、庭師や執事らの冷めた視線が、この楽園の歪みを浮き彫りにするのだ。
──富豪の島で渦巻く姉妹の葛藤

デヴォンがニューヨーク州バッファローから富豪の島に駆けつける理由は、単なる姉妹の再会ではない。
父親の病気をめぐる家族の確執、妹がミカエラから受ける洗脳…やがてデヴォンの自尊心さえも崩れてゆく─。
『姉妹ほど相手を知る者はいない』という台詞が、両者の複雑な絆を象徴している。


そしてデヴォンは気づくのだ。周囲の水が最初に見えたよりもずっと濁っていることに─。
豪華キャストが紡ぐ危険な関係
主要キャストの豪華ぶりは言うまでもないが、個性派揃いのサブキャストにも注目だ。島に登場する人物を徹底紹介しよう。
制作陣も注目の顔ぶれ
注目すべきは、マーゴット・ロビーが設立したプロダクション『ラッキーチャップ・エンターテインメント』が製作を担当している点だ。同社はNetflixで大ヒットを記録した『メイドの手帖』(マーガレット・クアリー主演)を手掛けており、全世界93ヶ国のTOP10入り&14週間にわたりグローバルランキングにランクインするなど、社会現象を巻き起こした実績を持つ。

そして、『メイドの手帖』を制作したのがモリー・スミス・メッツラーだ。本作でも脚本・制作を統括。前作同様、複雑な人間関係を繊細に描き出す手腕に期待が集まっている。
さらにニコール・カッセル(『ウォッチメン』『私だけのハッピー・エンディング』)が監督・プロデューサーとして参加しており、ダークな世界観を引き立てる。
原作はメッツラーの舞台劇から着想

─本シリーズは小説が原作か?
いいえ。本作はモリー・スミス・メッツラーがジュリアード音楽院在学中に執筆した舞台劇『Elemeno Pea』がベースになっている。
上流社会の偽善と狂気をテーマにしたこの舞台作品が、現代的な解釈で映像化されることで、より鋭く、よりエンターテインメントな物語として生まれ変わっている。
リリース情報
リミテッド・シリーズ「セイレーンの誘惑」(全5話)は、2025年5月22日よりNetflixで独占配信開始。
作品ページ・予告編は▶︎こちらから