Netflix「目指せメタルロード」のティーンエイジャーたちは実際に楽器を演奏している?


D.B.ワイスの新作映画「目指せメタルロード」は、怒りに満ちたティーンエイジャーの旅へと連れ出してくれる。

物語は、親友のケビン(ジェイデン・マーテル)とハンター(エイドリアン・グリーンスミス)が、来たるバンドコンテストで優勝することを目指し、メタルバンドを結成することから始まる─。しかし、そのバンドには “ベーシスト” が欠けていた。そんな時、ケビンはチェリストのエミリー(アイシス・ヘインズワース)の演奏に目を奪われバンドの勧誘をするが、ハンターは自分たちのアーティスト人生に『オノ・ヨーコは不要!』と叫ぶのだった。

[Picture] ©︎ 1997-2022 Netflix,Inc.

高校時代のケンカ、10代ならではのファッション、成長物語…そしてプロのミュージシャンと思わせる圧巻の演出など、この映画には青春すべてが詰まっている。

視聴者の多くは『劇中の音楽シーンはどこまで本当だったのだろう?』と疑問に思うかもしれない。実はこのお三方(マーテル、グリーンスミス、ヘインズワース)、これまでメタル・ロックの世界を全く通ってこなかったそうだ。

左から:スコット・イアン、D.B.ワイス、カーク・ハメット、トム・モレロ。

しかし、今回の制作にあたりNetflixは秘密兵器を用意していた。それが、90年代ロックの金字塔 Rage Against the Machine(レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン)のギタリストであるトム・モレロの参加である。脚本家のD.B.ワイスは、彼を “チーフ・メタル・カウンセラー” と名付け、モレロは3人の専属コーチとして、楽器の持ち方からメタルの美学まで、あらゆることを伝授したという。

モレロはTudumのインタビューで『彼らはヘビメタファンじゃないから…音楽を正しく演奏することが重要だった』と語っている。『彼らは俳優として本当に素晴らしい仕事をしたよ。(曲を)演奏しているように見せる方法を学んだんだ』と続けた。

そう、彼らは実際に楽器を演奏していないのだ。演奏しているように見せるため、キャストたちは撮影の合間をぬい練習を続けた。マーテルはドラムセットの特訓に数ヶ月を費やし、ヘインズワースはチェロ奏者のバネッサ・フリーバーン=スミスのもとでトレーニングを積んだ。

演奏方法を知っていることと、実際に音楽を感じることには大きな違いがあるとモレロは指摘する。しかし、そんなモレロでも『彼らがコンテストに出場するシーンを演奏しているときはもう、そんなことは忘れてしまえ!と思ったよ』と振り返り、『だって僕は114種類のビデオを作ったけど、そのどの場面でも自分の指が正しい場所にあったことはないんだ(笑)』と話した。

[Picture] ©︎ 1997-2022 Netflix,Inc.

映画にもカメオ出演しているモレロ。この3人の “メタル青二才” が学ばなければならなかった最も重要なレッスンは、音楽的な『感覚』だと語る。『ヘビメタルの聖なる魂が宿っていなければならないのに、最初から最後まで猿真似をしなければならないんだ』と続け、『自分では十分だと思っていても、それは正しいとは言えない。その先に行かなければならないんだ』

モレロは、俳優たちのためにムードボード(アイデアやコンセプトを纏めたもの)を制作しD.B.ワイスに送ったそうだ。そこには、メタリカのフロントマンであるジェームス・ヘットフィールドが叫んでいる写真、ヒョウの雄叫びや、ビール瓶に頭突きしている男の写真があったという。

『ジェイデンに、どれだけ激しくドラムを叩かなければならないかというメッセージも送ったよ』と話し、『メタル・ドラマーになるために必要なドラムの叩き方を簡潔にまとめてね。(自分が)メタル・ドラマーだと思えば、メタル・ドラマーに見えるはずだろ?』

そして、D.B.ワイスが実際に俳優たちが演奏しているのを見ると、驚きの反応を示したそうだ。『彼らは私を騙すことに成功したようだね。』


果たして3人は一致団結して栄光を手にすることができるのか─? 映画「目指せメタルロード」は2022年4月8日よりNetflixで配信中!

作品ページ・予告編は▶︎こちらから

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